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最期に伝えたいこと

『ROOM』:ブックマークの未来を模索する

現状のブックマークは一方通行である。片思いに過ぎないとも言える。ですがブックマークには、まだまだその可能性があると個人的に思っています。以下ブックマークサービス『ROOM』について模索していきたいと思います。

◆『ROOM』で解決できそうなこと

・より直感的にWEB上の情報を管理、公開する。

・第三者に開かれることで共通の趣味趣向を介して人と人が出会う場の提供。

・情報を集めることで、より多面的に捉え分析する。

・デマや陰謀論を視覚化し相対化すること。

・人と人が出会う環境作り。

◆ブックマークの未来を想像する前に

*ファクトチェックとブックマークを考える。

ネット上には真偽の分からない情報が大量にあると言われています。公共機関や民間企業によるファクトチェックも期待されているようですが、対処しきれない量になっています。多くのファクトチェックの仕方として「情報源(ソース)」によるフィルタリングが推奨されているようですが、人の発言には様々なレイヤーの主義、主張が存在しており、ソースによる判断ではなく個別の「内容」で反応をする仕組みづくりが必要なのではないかと思われます。つまり「内容」によって個別に評価分類する仕組みづくりが必要だろうということです。そしてより細かく言えば、自分にとって必要な情報、単語単位で選別していくことが重要だと思われます。

メタバースとブックマークを考える

現状、メタバースは普及したとは言い難い気がしています。以下の理由などが挙げられるでしょう。

 

VR型:ハードウェアが高額、また法的にグレーなコンテンツが多いなど

・ゲーム型:作成にコストがかかりハイリスクハイリターン。

・映像型:編集ができないためコンセプトが物語が難しく量産が厳しい。

・IP型:メタバース発祥のキャラだと展開させる機会が少ない。

・体験型:薄利多売はありだがプラットフォーマーにでもならないと難しい

 

インターネットの普及はアダルトコンテンツが重要な鍵を握ったと言われているようですが、現状騒がれているメタバースは、どれもエンターテイメント寄りであることに疑問を覚えます。

ゴーグルが高額なことを考えると、例えば専門業務での作業効率が望めるサービスを開発し「便利で必要だから利用する」ということを方向に持っていくべきなのではないでしょうか。

またメタバース時代に進んでいくにあたり再度、情報を普段人間が認識している形に近いものに落とし込むため情報の分類方法を再度整理する必要があるのではないでしょうか。

人工知能との共存を考える

今後は人口知能による情報汚染とも言える状況になることが予想されます。人間が、それらの情報をジャッジしていく必要があるのかもしれません。ですがその量は膨大です。結局のところ自分にとって重要な情報だけ分類できればいいのですが、、、ですがあまりに情報が多く、自分にとって必要な情報さえ良く分からない状況です。とりあえず情報の取捨選択も極力ゲーム的体験に落とし込んでいけるかが今後の人工知能との付き合い方の鍵を握ると思われます。

◆ブックマークを再考する

以下、現状のブックマークに足りてないと思われることをまとめました。

*感情的分類:FAVのアナロジーで考える。

感情に根付いた反応は記憶の深いところにあるはずです。FAVやいいねように気楽な感覚でブックマークをできないかと思います。まずは大分類する。今までのFAVは相手へのリアクションのみでしたがブックマークは自他共にもメリットになる仕組みを付与することができると思います。

分類は5つ程度で変更不能なものとしてプラットフォーム側から提案したいのですが例えば「いいね」「ムカつく」「笑える」「保留」「意見求む」などで感情に根付いた分類です。ここで相手にポイント(利益)が入るなどの仕組みを作れれば良いと思います。上記が行えればファクトチェック的に問題あるものなどは分類され、どこかの誰かが専門的なコメントをしてくれるかもしれません。そもそも、どのように分類されたかは第三者にも共有され、それ自体が相対的なファクトチェックになるでしょう。

*空間的分類:フォルダ管理の可能性

WEB上の膨大な情報に、どのような分類のとっかかりつけるか図書館十進法なども試しましたが自分は空間に基づく分類方法を行っています。建物と穢れの概念を使い精神的=物理的な遠近感をつけています。例えば

「LIFE」>「PROJECT」>「JOB」>「MTG」>「NEWS」

上記のようにフォルダを左から順にパーソナルなものから寄り公共に開いていくものとして捉えてここ数年うまく回せています。この空間的分類を使うことで情報に遠近感をつけることは、メタバース空間に落とし込む準備にもなる思います。

*時間的分類:ライフログとしての機能

すでに多くのブラウザで履歴を見ることはできるのですが、いざ何をみていたのかを探すとなると面倒で正直使いづらいと感じます。ブックマークにするしないに関わらず、例えばGOOGLEカレンダーのようなUIに、いつ何を見ていたか、何をどのタイミングでブックマークし、更新したかなどの情報が見やすい形で埋め込まれライフログが自動的に更新されるようにしてくれたら最高だと思いませんか。

*横断的分類:マーカー、付箋機能、とタグと検索と

フォルダとタグどちらで管理するか色々試行錯誤しましたが、結局、空間的分類方法を使うことにした関係でchromeを使っています。一括移動なども可能であるという点で優れているのですが、横断的なプロジェクトなどあり、フォルダとタグ(フォークソノミー)両方の分類できたらと思っています。

 

検索で辿り着けるかどうかも重要になるが、

より欲をいえば、ネットの情報にマーカーを引いて管理できたら最高です。メモ書きした情報を分類し、引用数なども表示されるようになれば、電子書籍の未来が変わってくるような気がします。

*共同体的分類:アクションとリアクションの応酬

どのコミュニティに投稿するかを選択できるという点ではiPhoneの共有投稿がありますが、あれを一歩進めることができれば孤独に立ち向かえるような気がします。例えば「はてなブックマーク」は1つ1つのURLにコメントする形ですが、あれをもう少し上のカテゴリーを吸い出せないかと夢想します。適度に良くアクセスするワードでコミュニティを定義することができたら人と人が出会える言語空間を構築できる気がします。また引用回数が多いコミュニティなどを可視化することで文壇のようなものもできるかもしれません。

◆マネタイズ

 

・アカウントを作成してもらい、そこからのサブスクを想定。

・課金で本棚(データベース)を買う追加収納スペースの購入。

◆『ROOM』アカウント作成の利点

トーク

ブックマークすると向こうにもポイントが入る仕組みができれば、よりブックマークの未来が開ける気がします。『ROOM』というサービス的にはポイントの交換の場として認知が上がれば、アカウント作成を促すことになります。例えば、ブックマークをするとそこで魚拓を取るなどP2P的なのも良いのかもしれません。

ポートフォリオ

信用スコアというとディストピアみがあると言われますが、誰がどのような角度で発言しているのか、どのようなリアクションを貰っている人なのかを数値化、視覚化することで投稿者の「ポートフォリ」を把握することができれば、これを持ってソースのチェックを行うことができると思います。これができれば別に実名だろうがハンドルネームだろうが問題はないはずです。ハンドルネームでも続けていくことで信用が生まれるからです。

ポートフォリオが存在することで、どのような人かわかり、人と人が出会いやすい環境を用意することができます。また無茶なことを抑止する側面を持たせることもできると考えています。

*レコメンド

ブックマークの分類を行うのであれば、自分の興味のあるジャンルをレコメンドしてもらうのはそれほど難しいことではないと思っています。と同時に自分にとって都合のいい情報にとらわれてしまう「エコーチェンバー」という問題がありますが、レコメンドから「適度」に相対化する施策が打てると思われます。

◆時間軸

*第一段階:ブックマークに特化した個人的利用の時期

初期段階ではchrome拡張機能としてスプレッドシートなどに、上記分類情報をまとめていくWEB2.0的サービスができればいいなと思っています。まずは何ができるのかを精査しつつ地道にアカウント作成を促す段階かなと。

 

例えば)

・ブックマーク機能構築

ポートフォリオ機能構築

twitterなど他サービスとの連動。

*第二段階:コミュニティ利用活性化の時期

コミュニティで活性化する施策を行う段階。WEB3的な仕組みづくりに手を出せたらと思います。

 

例えば)

・ポイント制構築

・TimeLine構築

・独自のデータ抽出サイトなどの構築。

*第三段階:VR用汎用性ブラウザ開発の時期

メタバース上の情報整理するための時期です。

 

例えば)

・ポイントを利用したクラウドファンディングの構築

アフィリエイトプラットフォームとしての機能充実。

・電子情報をNFTとしてダウンロードできるプラットフォームの開発。

◆まとめ:自分の図書館を作る夢

ソーシャルブックマークでは「はてなブックマーク」がありますが、個別URLにコメントをつけるのでは断片化して意思決定や合意を行うには向いていないという気がしています。基本的に昨今の情報は断片化しすぎだと思います。

例えば『ROOM』で今回提案した空間的分類が行われたVR空間を移動するとき、そこでは様々な情報や記憶がアフォーダンスされるはずです。情報が向こうから呼びかけてくる世界です。これは視覚体験をリッチにするだけではなく、作業効率の向上にも繋がる話になるはずです。自分用にカスタムされた図書館で作業するとかしたいです。したくないですか?

自分に合わせた空間をメタバース上に作っていく。そこまで行けば、例えば「作業空間のモデルアセット(データ容量)の販売」「ユーザ情報に広告をリアルタイム表示させるサービスの提供」「セレクトショップに入館料を払い利用する仕組み」などメタバース電子書籍の未来が見えてくる気もしますが、まずはブックマークの可能性をもっと掘っていけたらと考えています。

 

(了)